2022/01/19

2年ほど音楽ができなかった時の話

気づけば2年ほど経っていて、最近ブログ書きたいなーとか思いながらなんだかんだありがたいことにバタバタ過ごし書く暇はきっとあったがそこに意識がいかなかった。
なので今だから普通に話せる話を書いてみようかと。長くなります。お時間あれば見てみてください。

ベルリンに来てもう今年で7年目に入ろうとしている。
こちらに来て2年目、3年目のころだろうか、音楽に向かえなくなった。
今までも燃え尽き症候群的な感じでイベント後だったり全くやる気が起きない時期というのはあったのだが、気づけば2か月、半年、1年とどんどん時間だけが過ぎていく。
色々事情はあったのだが、今思えば自身の音楽性の変化に自分がついていけなかったんだと思う。
日本にいた時、カナダにいた時の僕を知っている人は音楽性が180度変わってしまっている今の僕を見て驚くのではないかと思う。

2013年にルナさんの個展に合わせてアルバムを出さないかとありがたいお話をいただいて、当時機材など全くなかった僕はとりあえず自分で作りたいと思い宅録用の器材などを購入。
絵から曲を作るというのは初めてだったけど、出来たものは今までどっぷりだったブルースやファンク、ロックンロールなどとは全くの別物だった。
そのころは絵から書いた曲だからと思い、特段気にはしてなかったのだが、それ以後今まで自分で作った歌を人前で歌うたび違和感が増していった。
カナダに居た際もそうだった、歌っているときは勿論楽しいが演奏後必ず違和感が残った。
何度か歌なしの音楽を演奏する機会があり、そういう時だけなんとなく今も思い描いている理想に近づいた気がしていた。
ベルリンに移ってから30代を迎える前はすごくメラメラしていた。
とりあえず歌はなしのインストの曲を書いては消してを繰り返す。
でもこの変化に楽しいという気持ちがついてこず、曲を書いたりすることができなくなった。パソコン、ピアノに向かうのが苦痛といった感じ。そして向かえない自分にも自己嫌悪。
たまにレコーディングを頼まれたりしてそういう時だけきっかけになれば、と思いやらしていただいていたが駄目だった。

キーボードに向かう、音楽に向かうことがどんどん苦痛になっていき、気づけば2年ほどの時間が過ぎていた。

音楽をやめてしまった友達は沢山いるし、その都度僕はやめるっていう気持ちは理解できないな。と思ってはいたがようやくその気持ちの片鱗が分かったような気がした。

心の片隅でずっと劣等感や罪悪感のようなものを抱えながら日常を消化する。
自分は基本的には自己肯定感が高い人間なのでこういう風に自信がなくなったり、といった体験が初めてだったので、余計に苦しかったのだとも思う。初めての体験w

きっと東京にずっといたらこんなことにはなっていなかったと思う、ライブに誘ってくれる友達は沢山いたし、なんだかんだそういう音楽の界隈にずっといたからもし違和感を感じても多分気づけなかった。
こちらではライブは自分で取らなくてはいけないし、前の様にサポートでキーボード弾いてるわけでもないし、誰かが都度誘ってくれるわけでもない。
今思えばここで悩んで超えられてよかったと思っている。
違和感を感じたまま好きなことを続けるのは辛い。


なんとなくこういう僕の状況を知ってなのか知らずになのかはわからないが色んな人がすくい上げてくれて、今ルナさんとフリーダというダンサーとやっているユニットのライブも決まり気づけば元の生活に戻り、今は何個か新しいプロジェクトに向かっている。

周りに恵まれたなと思う反面、一人だったらもう向かう気力がなかったのでそういう可能性もあったなと思うと少しぞっとする。本当に周りには感謝だ。まだ続けられている。
今まで夫婦でお互いが別々の部屋で制作するというのが当たり前だったのに、それができなくなっていたことが本当につらかった。

周りでも30手前や30過ぎてエンジンかかったり、エンストしたりしてる人たくさん見るのでちょっとふいに書いてみようと思いました。
僕はすくい上げてもらった側だからわからないけど、どんな時も向かっている方がいいんだろうなと思う。そこからいろいろ生まれることもあるだろうから。僕はそれができなかったがとりあえず結果オーライということで。

話が二転三転したけど、僕の音楽性に関してはきっと元々僕が持っていた音楽性はこういうものだったのだと思う。
ブルースやファンク、ロックンロールなどの音楽は今でも大好きだし聞いたりもするが自分で演奏するのはなんだか違う。歌を歌うというのもなんか違う。

違和感をはがしていったら今になった。

きっとそんな感じだ。

最近の曲

この曲は4部作の予定で今2部をそろそろ上げられるかなといったところ。お時間あれば聴いてみてください。